包丁研ぎとは

包丁は使っているうちに刃先が摩耗してどんどん切れにくくなってきます。切れにくい包丁で無理して切ると食材の断面の繊維を破壊してしまい料理の出来にも影響します。
では、どうすれば包丁の切れ味を復活させることができるのでしょうか。
包丁を研ぐことによって本来の能力を発揮させられるようになります。

包丁研ぎ器の種類と特徴

包丁研ぎ器はいくつか種類があり、特徴を理解したうえで使うことが大切です。研ぎ器には

  • 角砥石・砥石
  • 簡易研ぎ器・簡易砥石・シャープナー
  • 電動研ぎ器・電動砥石・電動シャープナー
  • 研ぎ棒・スチール棒

の4種類があります。

 

  • 角砥石・砥石

  • 砥石の粒子の大きさにより荒砥、中砥、仕上げ砥の3種に大別され、さらに天然砥石と人造砥石に分別されます。
    砥石の粒度(粒子の大きさ)は#(番)で表記されます。

     

    荒砥:#80から#600くらい
    刃こぼれや、刃の形状を修正するのに使用します。包丁用としては#200から#400くらいが適しています。

     

    中砥:#700から#2000くらい
    切れ味が落ちたり、刃が少し欠けた時に使用します。包丁用としては#1000から#1500くらいが適しています。家庭用でしたら中砥が1本あれば事足ります。

     

    仕上げ砥:#3000から#30000
    より鋭い切れ味を追求したい時に使用します。プロの料理人が使う包丁のように「腕の産毛まで剃れてしまう切れ味」には仕上げ砥が欠かせません。家庭用の包丁には#4000から#6000くらいまでで十分な切れ味を味わえます。

     

    修正砥石
    包丁を研ぐと包丁も削れますが砥石も削れてしまいます。面が均等に削れれば平面を保つことができるのですが、どうしてもよく使う部分と使わない部分が出てきてしまいます。そうすると砥石の表面は次第に凸凹になってきて包丁を綺麗に研ぐことができなくなります。そこで砥石を平面に修正する必要があります。これを「面直し」といい、面直しするための砥石を「修正砥石」または「面直し砥石」といいます。

     

    人造砥石は、均質で容易に手に入ることから広く流通しています。
    天然砥石は、刃物へのアタリが柔らかく人造砥石と比べ研いだ後の切れ味とその持続性には歴然の差があります。明治中期から昭和初期の採掘最盛期を過ぎると、掘り尽くされたことによる閉山や重労働による職人不足により採掘量は減少していきました。現在では、わずかな地域で採掘が行われるのみとなっています。

     

  • 簡易研ぎ器・簡易砥石・シャープナー

  • 家庭用として広く流通しています。砥石が交差したV字型の溝に包丁の刃を差し込み、手前に引くことで切れ味を復活させます。あくまでも応急処置として、刃先を荒らすことにより一時的に食材への食いつきをよくしているだけなので、繰り返し使用すると効果がなくなってきます。
    シャープナーだけでは切れ味が復活しなくなった場合は、角砥石で研ぐか、信頼できる専門家やメーカーに研ぎ直しを依頼する必要があります。

     

  • 電動研ぎ器・電動砥石・電動シャープナー

  • 簡易研ぎ器の動力が電動になったものです。素早く切れ味を復活させることができます。

     

  • 研ぎ棒・スチール棒

  • 研ぎ棒は、表面にダイヤモンド加工がしてあり、刃と研ぎ棒の角度が一定になるように刃先全体を研ぎます。あくまでも応急処置として使用します。
    スチール棒は、形状は研ぎ棒と似ていますが、包丁に付いた油を落とすのが目的です。肉をたくさん切っていると油の膜ができ、滑って切れ味が低下してきます。元々はヨーロッパで包丁を研ぐ方法として使われていましたが、日本の包丁は硬度が高く、研ぐことには向きません。スチール棒のHRCは54~62くらいに対して日本の包丁もHRC54~62くらいのものが多く同じような硬度のものをこすり合わせても包丁は研げません。それに比べると外国製の包丁はHRC46~56くらいのものが多くスチール棒でも研げることになります。

砥石の選び方

包丁の切れ味を復活させ本来の能力を発揮させるには砥石が必要不可欠なのはご理解頂けたかと思います。
そこで、まずは砥石の選び方をご説明します。
先程も軽く触れましたが砥石は大まかに
荒砥
中砥
仕上げ砥
に分類され、さらに
人工砥石
天然砥石
があります。

 

人工砥石は様々なメーカーから製造されていますし、天然砥石は色々な産地があり大きさも大小様々で、どれを買えばいいのか悩んでしまうと思います。
初めて砥石を購入される場合は、シャプトンの刃の黒幕シリーズをおすすめします。

 

砥石を使う上で面倒であった「砥石を長時間水に浸けておく」という下準備が不要になり、5分程度水に浸けるだけで作業が開始できます。
高い研磨力で硬いステンレス製の包丁でも容易に研ぐことができます。
付属の収納ケースが砥ぎ台としても使用でき、とても便利です。

 

刃の黒幕シリーズはサイズ210x70x15mm、重さ約500gのセラミック砥石で

 

刃黒幕ホワイト#120
荒砥#120
欠け刃や角度の急ぎの修正に、強力な研削力がある、#120の粗砥石です。

 


 

 

刃の黒幕モス#220
荒砥#220
ステンレスの欠け刃や、溶解ハイス鋼の荒研ぎに、くいつき抜群な、#220の荒砥石です。

 


 

刃の黒幕ブルーブラック#320
荒砥#320
小さな欠け刃の修正には、研削力のあり、研ぎ感抜群な、#320の荒砥石です。

 


 

 

刃の黒幕オレンジ#1000
中砥#1000
中砥だが荒砥がいらないといわれるほど良く刃が付き、荒・中兼用の砥石として便利な、#1000の中砥石です。

 


 

刃の黒幕ブルー#1500
中砥#1500
ちょっと切れ味が落ちた時に便利な、#1500の中砥石です。

 


 

刃の黒幕グリーン#2000
中砥#2000
中研ぎも仕上げ研ぎも兼ねられる、手間いらず時間いらずの、#2000の中砥石です。

 


 

刃の黒幕エンジ#5000
仕上げ砥#5000
従来の仕上げ砥にありがちなツルツル感がなく、くいつきが良く研磨力の優れた、#5000の仕上砥石です。

 


 

刃の黒幕メロン#8000
仕上げ砥#8000
天然砥石の滑らかな研ぎ感と仕上がりを実現した、#8000の仕上げ砥石です。

 


 

刃の黒幕クリーム#12000
仕上げ砥#12000
この種の砥石には見られない研磨力があり、刃物の光沢と長切れを実現する、#12000の仕上げ砥石です。

 


 

刃の黒幕ムラサキ#30000
超仕上げ砥#30000
黒光りする仕上面と、滑らかな切り口を実現させる、#30000の鏡面仕上砥石です。

 


計10種類販売されています。

 

最初の1本目にはズバリ!刃の黒幕オレンジ#1000がおすすめです。
これ1本あれば家庭用でしたら事足ります。

 

#1000だけの切れ味で満足できない場合は
刃の黒幕オレンジ#1000刃の黒幕エンジ#5000の組み合わせをおすすめします。
この2本の組み合わせでしたら「腕の産毛まで剃れてしまう切れ味」も再現可能です。